基本情報
対応疾患
- 股関節:変形性股関節症、特発性大腿骨頭壊死症など
- 膝関節:変形性膝関節症など
- その他:骨粗鬆症
対応治療
- 人工股関節置換術
- 人工膝関節置換術
- 再生医療(PRP-FD療法、APS療法)
- 保存療法(薬物療法、運動療法など)
手術方法
人工股関節置換術のアプローチ方法
- 最小侵襲手術方法(MIS)の仰臥位前外側進入法(ALS)
人工膝関節置換術のアプローチ方法
- 内側広筋を温存したSubvastus approach
医師メッセージ
はじめまして、塗山正宏(とやま まさひろ)と申します。
現在整形外科の領域は非常に多岐にわたります。手関節、肘関節、肩関節、股関節、膝関節、足関節、脊椎、骨腫瘍などそれぞれの領域に専門の医師が存在します。私はそのなかで下肢の人工関節手術を専門として現在まで診療を行ってきました。人工関節のなかでも特に人工股関節置換術、人工膝関節置換術を専門としています。
人工股関節置換術は、小さな切開で、筋肉を切らずに人工関節を設置して手術時間は約30分(一般的な手術時間は90~120分)で行います。手術後は、手術した当日にベッドから起きて立位、歩行訓練を行います。当日からリハビリが始まるのです。筋肉を切らないため回復も早く、術後は約1週間で退院が可能です。
人工膝関節置換術においても、小さな切開で筋肉を切らずに人工関節の設置を行うようにしています。手術時間も約50分(一般的な手術時間は90~120分)程度で終わるため、手術における身体へのダメージが一般的な人工膝関節置換術の手術よりも少なくなっています。そのため、人工膝関節置換術の術後においても手術当日からリハビリを開始しています。また、両側の膝関節が悪い場合には両側同時に人工膝関節置換術を行っています。両側同時に人工膝関節置換術を行った場合でも当日からリハビリを開始しています。
このように、人工関節置換術は目覚ましく進歩しています。当たり前の話ですが、病院や医師によって手術レベルの差は必ず存在しますが、私は人工股関節全置換術のラーニングセンター講師を務めており、全国から手術見学を希望される医師にご覧いただいています。
また、人工関節置換術だけでなく、股関節や膝関節の変形性関節症に対する再生医療にも取り組んでいます。関節の痛みはあるけども、まだ手術は受けたくないという患者さんにとっては、有効な治療の選択肢になると思います。
関節の痛みのために悩んでいる患者さんが沢山いらっしゃると思います。そういった患者さんが痛みから解放され笑顔で退院していく姿を今まで沢山見てきました。悩んでいるのであれば、まずは自分の状態を把握することが大事です。決して手術が全てではありません。しかし、ただ悩んでいるだけでは何も解決はしません。その悩みを解決するお手伝いを少しでもさせていただけたらと思います。
▼医師紹介と手術の説明動画
経歴など
略歴
2007年 4月〜 | 北里大学医学部(整形外科学)任用 北里大学病院勤務 |
2008年 4月〜 | 北里大学東病院、北里大学病院勤務 |
2011年10月〜 | 北里大学病院救急救命センター勤務 |
2012年 4月〜 | 北里大学メディカルセンター勤務 |
2017年 7月〜 | 世田谷人工関節・脊椎クリニック |
資格
- 日本整形外科学会専門医
- 日本整形外科学会運動器リハビリテーション専門医
- 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
- 身体障害者福祉法指定医
- ロコモアドバイスドクター
所属学会
所属医療機関
- 世田谷人工関節・脊椎クリニック
診察予約可能な医療機関
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