膝関節に痛みが出たときに考えられる病気(病名)
膝関節の病気で最も多いのは「変形性膝関節症」です。変形性膝関節症の有症者は、50歳以上で87%と中高年層に多い疾患となっています。※1
加齢とともに膝の軟骨組織がすり減り、立ち上がったり階段の上り下りをするときに痛みが出るようになります。また、O脚やX脚の方の場合も、膝関節の一部に負荷がかかり、関節の中央に荷重がかからないため、部分的に軟骨がすり減ってしまうことで痛みが出る場合があります。
他にもマラソンやサッカーなどのスポーツをしている方は、膝に負担がかかるため疾患が出やすい関節でもあり、症状や治療法もそれぞれに違ってきます。膝関節に痛みが出る病気(病名)は下記の通りです。
※1:変形性膝関節症の疫学—患者数推定と患者調査結果検討―
- 変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)
- 半月板損傷(はんげつばんそんしょう)
- 関節リウマチ
- 特発性膝骨壊死(とくはつせいひざこつえし)
- その他の膝関節の病気
変形性膝関節症
膝の軟骨がすり減って骨同士が直接接触することで、膝の痛みが生じます。主に女性で、40~50代から発症しやすい病気です。すり減った軟骨は自然に治癒することはなく、病気の進行状態によって運動療法から対処療法、再生医療、手術療法までさまざまな治療法があります。
変形性膝関節症は片足だけではなく、O脚やX脚などの変形によって両足の変形性膝関節症になる方もいます。
半月板損傷
半月板とは、膝関節内にあるクッションの役割を担う軟骨組織です。半月板損傷は、急な膝への強い衝撃や突然の回転運動などによって生じることが多く、膝の痛み、腫れ、膝関節の不安定感や違和感が生じることがあります。
関節リウマチ
関節リウマチは、自己免疫疾患の一種で、免疫不全により引き起こされる炎症性関節症の一つです。慢性的な痛み、腫れ、こわばり、そして損傷を引き起こすことがあります。
特発性膝骨壊死(大腿骨内顆骨壊死)
特発性膝骨壊死とは、主に体重のかかる大腿骨の内側の骨(太ももの骨)とすねの内側の骨の細胞に骨壊死が起こります。
一般的には、膝の骨に血流が十分に行き渡らないことが原因で骨が壊死するという状態です。壊死した骨の一部が体内に吸収され空洞ができ、進行すると、空洞になったところに軟骨が落ち込むため、膝の軟骨が減ってきます。そのため、軟骨がすり減ることで起こる変形性膝関節症と同じような症状がでることもあります。
その他の膝関節の病気
膝の前面にある膝蓋骨の軟骨が軟化する膝蓋骨軟化症や膝関節を覆う滑膜が炎症する滑膜炎、尿酸が関節に集まって結晶を形成する痛風などがあります。
膝の痛みで病気かも?と不安な方
「膝が痛いけど、仕事や家事などが忙しくて受診できない」と先延ばしにしている方も多いかと思います。
変形性膝関節症の場合、痛みを我慢しているうちに変形が進み、症状が悪化してしまう方もいらっしゃいます。早期に病気が発覚すれば治療も軽く済む可能性があります。
膝の痛みや違和感は我慢せず、まずは詳しい検査をし、自身のお身体の状態を知ることが治療の第一歩です。
検査を受ける際は、膝関節を専門にしている医師の受診をオススメします。
整形外科は領域が広く、医師によって専門分野が違っているのも特徴の1つであり、専門の医師であれば、より正確な診断を受けることが出来ます。
膝関節の検査を受けるなら、信頼のおける専門医へ
整形外科は幅広い領域を扱うため、医師によって専門分野が異なるのが特徴で、膝関節の専門の医師であればより正確な診断を受けることが可能です。
膝関節の検査を受けるなら、信頼のおける専門医膝の診察を受けることをおすすめします。