脊椎・脊髄疾患(首・腰)の治療方法について
脊椎・脊髄疾患(首・腰)に関する治療方法は、病気やその症状疾患の状態に併せて段階的に変わっていきます。主に「保存的治療法」と言われる生活指導、運動療法、薬物療法、注射治療と「手術療法」の5種類に分類されます。
- 装具療法
- 運動療法
- 薬物療法
- 注射治療
- 手術療法
痛みが続く場合は、専門外来を受診し、CT・MRIによる画像検査を行いましょう。画僧診断結果を受けて、主治医とよく相談した上で治療方針を決めていきます。
次は、それぞれの治療方法について解説します。
保存療法
装具療法
足腰のしびれや麻痺などで歩行が不安定な症状が出ている方には杖を用いることがあります。杖を使用することで足腰や背中への負担を軽減することができます。
状態によっては、コルセット・サポーターを用いることがあります。コルセット・サポーターにより脊椎の動きをを制限して変形を防止し、痛みを緩和することができます。
運動療法
脊椎・脊髄(首・腰)疾患の方の運動療法は、脊椎への負担が少ないウォーキング、水中歩行などが推奨されています。身体の状態によって負荷の強い運動はかえって痛みを悪化させたりすることもあるので、脊椎専門の理学療法士による個別プログラムでリハビリトレーニングやストレッチなどで筋肉を強化することをお勧めします。
薬物療法
脊椎(首・腰)に症状がある場合は、痛みや炎症を抑える消炎鎮痛薬内服や神経の圧迫で起こる血流障害を改善する飲み薬や外服薬(貼り薬)が処方されることがあります。薬によっては、副作用として胃腸障害や腎臓障害などの副作用をひきおこす可能性がありますので、定期的に病院やクリニックでレントゲン検査など患部の進行状態を観察し、治療効果がどの程度あるのか、副作用はみられないかなど、診察をおこなうことが必要です。
注射療法
脊椎(首・腰)の痛みが強い場合は、局所麻酔薬を注射するブロック注射が行われることがあります。
ブロック注射は、痛みの原因となっている神経に対して麻酔薬を注入することで、痛みを軽減する治療法です。ブロック注射で神経を落ち着かせることで、血管や筋肉が収縮しなくなり、血行改善することで注射の麻酔が切れても痛みが和らぐ場合もあります。ブロック注射は、病気や症状の進行度合いに応じて選択する必要がありますので、専門の医師にご相談ください。
手術療法
脊椎・脊髄の手術は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの疾患により、神経が圧迫され、痛みや麻痺が起こり、保存療法でも改善しない場合に行われます。
脊椎・脊髄の手術方法は大きく3つあります
1つ目は、圧迫された脊髄や神経根などへの圧力を取り除いて症状を緩和する除圧術、2つ目は、グラグラと動いて不安定な脊椎を固定する固定術、3つ目は、外傷や脊椎の変形を正常な状態に正す矯正術があります。疾患の部位や状態、医師により適応する術式は異なります。
首・腰の代表的な手術方法(術式)一覧
先ほど紹介した「手術療法」の代表的なものを部位ごとに紹介します。
頚椎(首)の疾患に適応する術式
- 頚椎固定術
- 頚椎椎弓形成術
- 内視鏡下椎間板摘出(切除)術
- 内視鏡下椎弓形成術
胸椎・腰椎(胸・腰)の疾患に対する術式
- 椎弓切除術
- 椎弓形成術
- 完全内視鏡下脊椎手術(FESS)
- 硬膜外神経癒着剥離術
- 腰椎側方椎体間固定術(XLIF)
- 脊髄刺激療法
- 脊椎固定術
- 椎間板摘出術
- 脊椎側彎症手術
- 内視鏡下脊椎固定術
- 椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア)
- 経皮的椎体形成術(BKP)
脊椎・脊髄疾患でお悩みなら、信頼のおける専門医へ
脊椎・脊髄疾患(首・腰)を改善するには、まず自身の状態を理解し、適切な治療方法を選択することが重要です。そのためには、幅広い治療法を提案できる経験豊富な専門医の診断を受けることが必要です。
脊椎・脊髄疾患(首・腰)でお悩みなら、信頼できる脊椎・脊髄の専門医を受診することをおすすめします。