膝関節の病気(疾患)の治療方法
膝関節の病気に関する治療方法は、それぞれの疾患やその進行状況によって段階的に変わっていきます。
主には、「保存的治療法」と言われる生活指導、運動療法、薬物療法、注射治療と、「手術的治療法」に分類されます。痛みが続く場合は、専門外来を受診し、CT・MRIによる画像検査を行いましょう。検査結果から正しくご自身の状態を把握し、主治医とよく相談した上で治療方針を決めていきます。
- 生活指導
- 運動療法
- 薬物療法
- 注射治療
- 手術療法
保存療法
生活指導
膝関節疾患の生活指導は、主に膝関節にかかる負担を減らすところから始めます。床に座ったりする和式の生活から椅子を使う洋式の生活へ変えたり、体重管理などをおこないます。
運動療法
運動療法は、理学療法士のプログラムに従い、リハビリによるトレーニングやストレッチで筋肉を強化し、膝関節にかかる負担を軽減していきます。また、減量により膝関節への負担を減らすことも大切です。運動療法は疾患の種類や進行度によって異なるので、理学療法士または専門の医師の指導のもと行いましょう。
薬物療法
痛みや炎症を抑える外用薬と内服薬があります。外服薬には、塗り薬と貼り薬(湿布)があり、内服薬にはステロイド剤入りの鎮痛剤など痛みを抑える薬があります。
注射治療
痛みが強い場合は、ブロック注射やヒアルロン酸注射が行われることがあります。ブロック注射は、痛みの原因となっている神経に対して麻酔薬やステロイド剤を注入することで、痛みを軽減する治療法です。
ヒアルロン酸注射は、軟骨や関節液に存在する成分で、関節の潤滑油を補充する効果があります。関節液の潤滑効果を高め、痛みや炎症を軽減することができます。ただし、ヒアルロン酸製剤の注射療法は、進行した変形性膝関節症に対しては有効ではない場合があるため、症状や進行度合いに応じて適切な治療法を選択する必要があります。
再生医療
1つ目は、PRP注射・APS注射です。PRP注射・APS注射とは、自身の血液中から採取した成分を、膝関節の損傷部位に注入する治療法です。注入された成分には成長因子が含まれており、軟骨や関節の再生を促す効果が期待されます。
2つ目は幹細胞注射です。
幹細胞注射とは、自身の脂肪組織や骨髄から幹細胞を採取し、それを膝関節に注入することで、軟骨や骨の再生を促します。
再生医療に関しては、現在のところ日本では保険適用外となっており、治療費が高額になってしまうのが難点です。
手術療法
膝関節の手術方法(術式)には、変形性膝関節症などの膝関節の変形によって起こる痛みに対して行われる人工膝関節置換術や骨切り術、半月板損傷に適用する半月板切除術、靭帯の損傷に適用する前十字靭帯再建術など、疾患によってさまざまです。
膝関節に関係する手術方法の一覧は以下の通りです。
- ・関節鏡下手術(かんせつきょうしゅじゅつ)
- ・骨切り術(こつきりじゅつ)
- ・人工膝関節置換術 (じんこうひざかんせつちかんじゅつ)
- ・高位脛骨骨切り術(HTO手術)(こういけいこつこつきりじゅつ)
- ・半月板切除術(はんげつばんそんしょうじゅつ)
- ・前十字靭帯再建術(ぜんじゅうじじんたいさいけんじゅつ)
膝関節の治療方法を適切に選ぶためには
膝疾患(病気)の治療は、痛みの度合いや、進行状況によって治療方法を適切に選ぶ必要があります。まずはご自身の病気の状態を正確に把握するため、専門医の外来を受診しましょう。
膝関節の痛みでお悩みなら、信頼のおける専門医へ
膝関節の病気を改善するためには、ご自身の状態を理解し、適切な治療方法を選択することが重要です。
幅広い治療方法を提案できる経験豊富な専門医を受診することは、膝関節の痛みから解放され、スムーズな歩行を再び取り戻すための着実な道といえるでしょう。
膝関節のことでお悩みなら、信頼できる専門医を受診することをお勧めします。